作 家大樋長左衛門
大樋焼の第十代当主 大樋長左衛門のキャリアとは?
金沢で長い歴史を持つ大樋焼。
現在の当主はなんと十代目の大樋長左衛門で、まさに日本を代表する陶芸家一族と言っていいでしょう。
十代目の大樋長左衛門が誕生したのは1927年。
九代目のもとで陶芸についてのいろはを学び、1949年には当時の東京美術学校(現在の東京藝術大学)の工芸科を卒業します。
卒業の翌年、1950年には早くも日展で初入選し、1956年には日展の北斗賞を受賞。
1957年と1961年には同じく日展の特選・北斗賞をダブル受賞しています。
その後も旺盛な活動を続け、ベルリン日本工芸展に招待されたりボストン大学での基調講演を行ったりするなど、日本の陶芸の価値について世界で知らしめる活動を行いました。
その後、1995年には日本陶磁協会理事に選任され、1999年には日本芸術院の会員、2004年には文化功労者としても表彰されました。
そして、2011年には文化勲章を受章するなど、まさに第一線での活躍を続けています。
作品の所蔵先はまさに世界レベル!なかなか入手しにくい作家のひとりです
十代目大樋長左衛門は大樋焼の世界的権威として、骨董品マーケットだけでなく世界中の美術館からも引く手あまた。
これまでに彼の作品が所蔵されているのは、宮内庁や総理大臣官邸、東京国立近代美術館、東京都庁や石川県庁など日本各地に及びます。
しかしそれだけではなく、メトロポリタン美術館やルーブル美術館、ボストン大学やハーバード大学など、世界に名だたる美術館などのコレクションにもなっているのです。
まさに、現代に生きる名工として世界的な評価を獲得していることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
そんな彼の作品は、なかなか骨董品マーケットに出回る機会がありません。
もし運よく見かけることができたとしても、とても高い値段で取り引きをされていることが多く、おいそれと手に入れることは難しいと言っていいでしょう。